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技術コラム

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シリーズ工業炉Seminar(1)単位のはなし(その2)

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尺とフィート―よく似た二つの長さ

日本で古くから使用されてきたと、ヤード・ポンド法で使用されるフィートは、いずれも約30cmの長さです。
数値はよく似ていますが、両者は異なる単位であり、正確な長さも同じではありません。

単位 メートル換算 ミリメートル換算
1尺 10/33m 約303.030mm
1ft(フィート) 0.3048m 304.8mm

1尺と1フィートの差は約1.77mmです。1単位だけを比較するとわずかな差ですが、長さが大きくなるほど差も積み重なります。

また、単位系として1寸は1/10尺で10進法、1インチは1/12フィートで12進法ですので、後述の寸とインチはこの違いが大きいです。
しかし、1寸(30.3mm)も1インチ(25.4mm)も人間が扱いやすい寸法表示として適切 な長さである事は古今東西同じです。
後ほどフィートとインチの由来の項でも説明します。

長さ 尺による寸法 フィートによる寸法
3単位 約909.1mm 914.4mm 約5.3mm
6単位 約1,818.2mm 1,828.8mm 約10.6mm

フィートの単位記号はftです。また、寸法表記ではプライム記号「′」が使用される場合があります。例えば、3フィートは3′、6フィートは6′と表します。

3×6板と畳の寸法

建築材料や板材では、3×6(サブロク)という呼び方が広く使用されています。これは、もともと3尺×6尺の板材寸法に由来する呼称です。

基準 計算上の寸法 便宜上のmm丸め表記
3尺×6尺 約909×1,818mm 910×1,820mm
3ft×6ft 914.4×1,828.8mm 914×1,829mm
または
915×1,830mm

両者はよく似ていますが、3尺×6尺と3ft×6ftでは、短辺で約5mm、長辺で約11mmの差があります。表右列のmm寸法は、それぞれの計算値を便宜上丸めた表記です。特に3ft×6ftの正確な換算値は914.4×1,828.8mmであり、914×1,829mmや915×1,830mmは丸め方の違いによるものです。板材、設備、治具などを設計する場合には、単に「3×6」と判断せず、尺基準かフィート基準か、さらに実際の製品寸法を確認することが必要です。

日本家屋で使用される畳も、3尺×6尺に近い寸法を基本としています。ただし、畳の寸法は地域や建築方式によって異なり、京間、中京間、江戸間、団地間など複数の規格があります。

種類 おおよその縦寸法 おおよその横寸法 面積 主な地域・用途
京間(本間) 191cm 95.5cm 1.82m2 関西・九州、伝統和室
中京間(三六間) 182cm 91cm 1.66m2 東海・中部地方
江戸間(五八間) 176cm 88cm 1.55m2 関東・東北・北海道
団地間(五六間) 170cm 85cm 1.45m2 マンション・集合住宅
六一間(広島間) 185cm 92.5cm 1.71m2 中国地方、広島・岡山周辺

尺の定義と変遷

尺は中国を起源とし、東アジアや東南アジアの各地域へ広がった長さの単位です。ただし、同じ「尺」という名称であっても、その長さは国や時代によって異なりました。

古代には、人の身体を長さの目安とする身体尺の考え方があり、手を広げたときの親指の先から中指の先までの長さを1尺の目安とする説明もあります。また、「尺」という漢字は、親指と人差し指を広げて物にあてて長さを測る形に由来するとされています。

古代中国の1尺は現在の曲尺より短く、時代によってはおよそ200~230mm程度の長さが使用されていました。例えば、秦・漢時代の1尺は約231mmとされ、後漢の出土品には長さ23.3cmの骨尺も確認されています。その後も時代とともに尺の長さは変化し、後世には30cm前後へと長くなっていきました。

日本でも複数の尺が使用されていましたが、明治時代に折衷尺が公式の曲尺として採用され、1尺=10/33m=約303.030mmと定められました。通常、単に尺という場合は、この曲尺の尺を指します。

単位 関係 長さ
1分 1/100尺 約3.030mm
1寸 1/10尺 約30.303mm
1尺 10寸 約303.030mm
1間 6尺 約1,818.182mm

現在の日本では、尺貫法による計量単位を取引または証明に使用することは禁止されています。一方、建築、木工、配管などの分野では、尺貫法に由来する呼称が現在も残っています。

国際インチの定義

現在使用されている国際インチは、1 in=25.4mmと正確に定義されています。

1958年、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの6か国が、ヤードとポンドの基準を統一することで合意しました。その定義は1959年7月1日から適用され、国際インチは1インチ=25.4mmとなりました。

項目 内容 表記例
定義 1インチ=25.4mm(正確に) 1 in=25.4mm
単位記号 in 1 in
12 in
英文表記 inch / inches one inch
twelve inches
慣用的な寸法表記 ダブルプライム記号「″」 1″
12″

単位記号inを使用する場合は、数値と単位記号の間に空白を入れ、1 in、12 inのように表記します。英文中では「in.」という略記が見られる場合もありますが、単位記号としては「in」を使用します。一方、寸法図などではダブルプライム記号「″」を使用して、1″、12″と表す慣用表記も広く使用されています。

なお、アメリカも国際インチを採用しており、単位記号「in」も使用されています。

インチとフィートの由来

インチ(inch)という名称は、ラテン語で「12分の1」を意味するunciaに由来します。また、古い長さの単位には人の身体を基準としたものが多く、インチは親指の幅、フィート(foot/feet)は人の足の長さを目安とする単位として説明されます。

1フィートは12インチ、1ヤードは3フィートです。この12進法を基礎とした関係は、ヤード・ポンド法の特徴の一つです。メートル法のように10倍ごとに単位が変わる仕組みとは異なるため、換算時には注意が必要です。

長さ インチ換算 ミリメートル換算
1インチ 1 in 25.4mm
1フィート 12 in 304.8mm
1ヤード 36 in 914.4mm

現在も使われているインチ表示

日本ではSI単位が基本ですが、製品の規格や業界内の呼称として、現在もインチ表示が使用されています。

対象 インチ表示の内容
SGPなどの配管 管の呼び径として、1/2インチ、1インチ、2インチなどの呼称が使用されます。
タイヤ リム径はインチ、タイヤ幅はmmで表示されるなど、複数の単位が併用されます。
テレビ・ディスプレイ 画面の対角寸法に由来する呼称として、「17型」「55型」などが使用されます。
金網 1インチ当たりの網目数をメッシュとして表示します。
ハニカム 1平方インチ当たりのセル数を基準とする表示があります。
ラジアントチューブ チューブ径の呼称としてインチが使用される場合があります。
ゴルフクラブ クラブの長さはインチで表示されることが多く、ゴルフ用具規則でもクラブ長の基準にインチが使用されています。
ハードディスク 3.5インチ、2.5インチなど、フォームファクタの呼称として残っています。

これらのインチ表示は、必ずしも実測寸法そのものを表すとは限りません。配管やディスプレイのように、規格上の呼称として使用されている場合があるため、設計や選定時には規格寸法を確認する必要があります。

金網のメッシュ表示

金網の細かさは、一般にメッシュで表されます。メッシュとは、1インチ(25.4mm)の間に並ぶ網目の数です。

上図は、1インチの間に5個の網目があるため「5メッシュ」です。ただし、メッシュ数だけでは開口寸法は決まりません。金網には線径があるため、同じメッシュ数でも線径によって開口寸法が変わります。

ピッチ 25.4mm÷メッシュ数
開口寸法 ピッチ-線径

線径1.0mmの5メッシュ金網では、ピッチは25.4÷5=5.08mmとなり、計算上の開口寸法は5.08-1.0=4.08mmです。

ストレーナの金網は、流体の種類や設置する機器によって必要なメッシュ数が異なります。水用・蒸気用には標準仕様として定められている値があり、油・ガスなどでは流体の性状や保護する機器に応じて選定します。代表的な目安を次に示します。

流体・用途 メッシュの目安 備考
水用(一般) 40メッシュ以上 公共建築工事標準仕様における水用ストレーナの基準
水用(電磁弁の前) 80メッシュ以上 微細な異物による電磁弁の作動不良を防ぐため、一般水用より細かい網目を使用
蒸気用 80メッシュ以上 公共建築工事標準仕様における蒸気用ストレーナの基準
油用 60メッシュ程度 汎用ストレーナの標準例。油の粘度や捕捉する異物の大きさに応じて20~200メッシュ程度まで使い分ける場合があります。
ガス・気体用(一般) 40~60メッシュ程度 都市ガス・LPガスなどの一般配管で使用する場合の実務上の目安
ガスメータ・ガス制御弁などの前段 60~80メッシュ程度 機器内部への細かな異物の侵入を抑えるため、一般配管より細かい網目を選定する場合があります。
特殊ガス・高純度ガス 200メッシュ以上を使用する場合あり 微細粒子の除去が必要な用途では、細目の金網や専用ラインフィルタを使用します。

水用・蒸気用の値は標準仕様に基づくものですが、油・ガス用の値は一般的な選定例です。実際の選定では、機器メーカーの指定、流体性状、捕捉する異物の大きさ、許容圧力損失を優先します。メッシュ数が大きいほど網目は細かくなりますが、その分、圧力損失や目詰まりも生じやすくなります。

ハニカムのセル表示

ハニカム構造体では、1平方インチ当たりのセル数と壁厚を組み合わせた表示が使用されます。

例えば、#100/17という表示は、1平方インチ当たり100セル、壁厚17milを表します。ここでmilは1/1,000インチです。

表示 意味 計算
100 1平方インチ当たりのセル数 10セル×10セル=100セル
17 壁厚17mil 17×25.4/1,000=0.4318mm

100セル/in2を正方格子として考えると、1辺には10セルが並ぶため、セルピッチは25.4÷10=2.54mmとなります。

工業炉では、蓄熱体などにハニカム構造体が使用されます。セル数、壁厚、材質によって、伝熱面積、圧力損失、強度、蓄熱量などが変わるため、用途に応じた選定が必要です。

配管工事で使用されるインチメータ

インチメータ(inch-m)は、配管の呼び径と長さを掛け合わせて、配管工事量を概算するための考え方です。管径が大きいほど、同じ長さでも材料費や施工費が増えるため、配管径と長さの両方を考慮できます。

配管 インチ換算 計算 インチメータ
15A×2m 1/2in×2m 1/2×2 1inch-m
50A×3m 2in×3m 2×3 6inch-m
125A×5m 5in×5m 5×5 25inch-m

インチメータは、配管の重量、材料費、施工費などを概算する際に使用されます。ただし、正式な単位や統一規格ではなく、積算方法は会社や工事条件によって異なります。

特に配管でよく用いられる15A(1/2インチ)~50A(2インチ)のサイズのパイプでは、inch-mx2.54で重量が概算できますので概算見積には大変便利 です。
例えば、2インチメータx2.54≒5.1kg/mですが1インチパイプ2mは実際 4.9kg、1/2インチパイプ4mは実際5.2kgとなり概略整合します。

見積りや工事量の比較に使用する場合は、計算条件を明示する必要があります。

SGP配管とインチ呼称

SGP配管では、A呼称とB呼称が併用されています。A呼称はミリメートル系の呼び径、B呼称はインチ系の呼び径です。

A呼称 B呼称 一般的な呼び方 外径 厚さ 単位質量
6A 1/8B イチブ 10.5mm 2.0mm 0.419kg/m
8A 1/4B ニブ 13.8mm 2.3mm 0.652kg/m
10A 3/8B サンブ 17.3mm 2.3mm 0.851kg/m
15A 1/2B ヨンブ 21.7mm 2.8mm 1.31kg/m
20A 3/4B ロクブ 27.2mm 2.8mm 1.68kg/m
25A 1B インチ 34.0mm 3.2mm 2.43kg/m
32A 1 1/4B インチクォータ 42.7mm 3.5mm 3.38kg/m
40A 1 1/2B インチ半 48.6mm 3.5mm 3.89kg/m
50A 2B 2インチ 60.5mm 3.8mm 5.31kg/m
65A 2 1/2B 2インチ半 76.3mm 4.2mm 7.47kg/m
80A 3B 3インチ 89.1mm 4.2mm 8.79kg/m
90A 3 1/2B 3インチ半 101.6mm 4.2mm 10.1kg/m
100A 4B 4インチ 114.3mm 4.5mm 12.2kg/m
125A 5B 5インチ 139.8mm 4.5mm 15.0kg/m
150A 6B 6インチ 165.2mm 5.0mm 19.8kg/m

配管のB呼称は、実際の外径をそのままインチ換算した値ではありません。例えば、1BのSGP管は外径34.0mmであり、1インチ=25.4mmとは一致しません。これは、インチ表示が実寸ではなく管の呼び径だからです。

また、日本では1/8インチを「一分」、1/4インチを「二分」、3/8インチを「三分」と呼ぶ慣習があります。1/8インチは3.175mmで、尺貫法の1分である約3.030mmに近いため、この呼称が定着したと考えられます。なお、「一分」「二分」などは現場で使用される慣用呼称であり、JISの正式な単位記号ではありません。

工業炉の配管設計、部品選定、見積りでは、A呼称、B呼称、外径、内径を混同しないことが重要です。特に海外仕様や既設設備を扱う場合には、数値だけでなく、単位と呼称体系まで確認する必要があります。

次回は、馬力とkW(その1)をお届けします。
馬力が生まれた背景や、なぜ1馬力が約0.75kWとされるのかなどについての話です。

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